イチゴ
栃木、福岡などの産地を中心にコフナの使用は全国的に広がっております。栽培の形態として土耕栽培からベンチ栽培、秋定植の体系から四季なりと様々となっておりますが、多様な現場で使用は進んでおります。また、広がりつつある技術である不耕起栽培も盛んになっており、10年以上まえからコフナは不耕起栽培の現場でも使用されています。
使用目的
連作となるため、継続的に栽培を行える土づくりのために使用しております。特に栽培期間が長期となるため、収穫を支えるための根づくりを行うための土づくりが必須となります。また、難防除の土壌病害が発生しやすく、その対策のために使用されています。また健全な根量を確保するためには根圏の土作りが不可欠です。全国各地で作型や土壌管理に合わせてコフナは利用されています。
基本的な使用方法
コフナ・ソーラー法(コフナを併用した太陽熱・土壌還元消毒)
土耕栽培で畝が高くなることが多いイチゴ栽培におけるコフナ・ソーラー法について説明いたします。基本的にソーラー法を実施するときは、ハウスの向きによっては、平らな状態(畝を立てずに)で実施してください。東西向きのハウスで畝を立ててソーラー法を処理した場合は、畝の北側が日陰になりやすいため温度が上がりにくく、水分も抜けやすいため、場所によってソーラー法の効果を得にくいところが出てきます。
薬剤による土壌消毒を行う場合
散布時期:土壌消毒後から植え付け前まで
使用数量:
コフナ1号もしくはコフナMPSS 10~15袋以上/10a
使用方法:元肥とともに耕起
クロルピクリンフロータイプなど畝立て後に消毒を行なう場合
使用数量:
コフナ1号もしくはコフナMPSS 15袋以上/10a
使用方法:堆肥や元肥とともに耕起
備 考:
通常の土壌消毒方法と違い、クロルピクリンフロータイプは畝立て後に土壌消毒剤を行ないますので、土壌消毒により土壌微生物が死滅する可能性があります。
この方法のコフナ施用は土壌改良プラス団粒構造破壊予防の目的があります。
クロルピクリンのような土壌消毒剤は土壌の団粒構造も破壊するため、消毒後のコフナ施用が難しい場合は事前にコフナと有機物を投入して下さい。
高設栽培など少量土壌栽培の場合
①培地へ混和
散布時期:収穫終了後
使用数量:コフナ1号 15~30g/培地1ℓ
使用方法:
補給する土壌にコフナ1号を同量の米ぬかで増量混和し、表層散布後軽く混和。
②コフナ・ソーラー法
散布時期:6~8月頃まで
使用数量:
コフナ1号(コフナMPSS)1袋~/~100mベッド
使用方法:
コフナと有機物を培地に混和後、水分とたっぷり入れ、透明ビニールで被覆
育苗場面
育苗期間中に罹病した苗が定植され、土作りされた本圃でも発病する事例が報告されています。苗による病害菌の持ち込みは土壌病害発生要因の一つに位置付けされており、苗作りの管理も重要な対策となります。苗の根圏微生物環境を整えるため、コフナを育苗床やポット培土に混和して微生物の多様化・活性化を図り、静菌作用を高めます。
①育苗床へのコフナ使用
散布時期:土壌消毒後
使用数量:
コフナ1号もしくはコフナMPSS 10~15袋以上/10a
②ポット培土へのコフナ使用
散布時期:培土準備時(子苗を受ける2週間前)
使用数量:フランスコフナ 10g/培土1ℓ
不耕起栽培での使用
散布時期:栽培終了後株を除去後
使用数量:
コフナ1号もしくはコフナMPSS 15~30袋以上/10a
使用方法:
畝表面に散布後軽くレーキ等で攪拌。散水後コフナ・ソーラー法実施