ぼかし肥料づくりには微生物の力が必要です。コフナを使用した作成例を紹介いたします。
1.コフナを使用したぼかし肥料づくりでの注意点
①温度
材料を袋に投入して、密閉状態にすると、他の資材では温度が一時的に上がり、その後下がってきますが、コフナの場合は、条件によっては(水分との兼ね合い)温度が長期間高い状態となります。そのため無機化が進み、実際使用する場合、緩効的に肥料が効いて欲しいはずが、即効的な肥料となる場合があります。温度管理を定期的に行い、温度が上がりすぎた場合、途中で中身を広げて、乾燥させるようにしてください。
②圃場へのコフナ
ぼかし肥料づくりでコフナを使用しており、本圃に投入しなくても良いか?という質問を受けますが、コフナでぼかしを作られている方の多くは、本圃でもコフナを使用されています。これは、ぼかしにいるコフナだけでは土壌微生物のバランスや量が十分に補充されないためです。
2.使用事例
例1 果樹栽培でのぼかし肥料(福島県)
使用材料:
MIC-108・モミガラ・米ヌカ・ゼオライト・小麦粉
作製方法:
- ① 材料を攪拌・混和し樽に入れます。水分は30~40%を目安に調整して下さい。
- ② 材料を樽に入れ水分調整を行ったら、表面積を増やすために上から棒のようなもので何箇所か押します。(空気を入れるためではなく、水分調整のためです)
- ③ 蓋をして、醗酵をさせます。
※温度が35℃以上にならないようにします。
注 意 点:
はじめから水分を多くすると醗酵が進まないことがあります。
また水分が多いと水分調整をするのが難しくなります。
そのため、はじめは水分を低めにして醗酵させて下さい。
その後、醗酵が上手くいかない場合は②③の作業を何度か行って下さい。
例2 トマト促成栽培におけるぼかし肥料(千葉県山武郡)
元肥(10a) | |
---|---|
大豆粕 | 50kg |
菜種粕 | 70kg |
米ヌカ | 100kg |
魚骨粉 | 30kg |
粘土鉱物(ゼオライト) | 70kg |
くん炭 | 100㍑ |
コフナ1号 | 30kg |
有機石灰 | 100kg |
追肥 | |
---|---|
菜種粕 | 70kg |
魚粉 | 70kg |
米ヌカ | 100kg |
骨粉 | 35kg |
粘土鉱物(ゼオライト) | 35kg |
赤土 | 約1t |
切り返し時に過燐酸石灰を約15kg投入 |
作製方法:
- ① 原料を混和し水分を加えて発酵させます。夏季において3日くらい55℃の温度になったら切返しを行います。
- ② 切返し時に過燐酸石灰を入れ55℃の温度以上にならないように切返しを行います。
- ③ 菌が全体に混合した時点で、天日乾燥を行います。夏季は15~20日、冬季は20~30日位で完成します。
例3 ジャンボピーマン栽培におけるぼかし肥料(神奈川県)
油粕 | 30kg |
魚粕 | 100kg |
魚骨粉 | 90kg |
大豆粕 | 150kg |
米ヌカ | 150kg |
コフナ1号 | 100kg |
粘土鉱物(モンモリナイト主体) | 100kg |
低度化成 8-8-5 | 40kg |
作製方法:
- ① 原料に水をかけながら混和。55℃以上の温度にならぬように切返しを続けます。
- ② 全体が乾いてきたら肥料の空き袋などに詰めて保存します。約3ヶ月で完成です。