土壌病害が発生した場合、対応方法としてコフナ・ソーラー法がありますが、対策時期、発病度合、作業期間によってはコフナだけでは対応できない場合があります。その場合農薬の土壌消毒剤の使用を行うことがあります。薬剤での土壌消毒を実施する際のコフナの使用方法について説明いたします。
土壌消毒法の違いによる微生物相の変化
土壌消毒剤も全ての病原菌を殺すことは不可能で、土壌全体の微生物数・種類共に減少します。ここに何らかの原因で病原菌が増殖すると、一般の微生物が少ないため作物に取り付きやすくなり、発病しやすくなります。そのために、微生物相の改善が必要となります。そこで、微生物の種類が多く含まれるコフナを投入し早期に改善をはかります。
1.土壌消毒後にコフナを投入する基本的な使用方法
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<一般的な方法>
土壌消毒 ⇒ ※薬剤の場合ガス抜き後 堆肥・コフナ投入 ⇒ 肥料投入 ⇒ 播種・定植
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<堆肥成分に不安(雑草の種の混入)がある場合>
堆肥投入 ⇒ 土壌消毒 ⇒ ※ガス抜き後 コフナ投入 ⇒ 肥料投入 ⇒ コフナ投入 ⇒ 播種・定植
※コフナ投入から定植・播種までの期間は基本的に2週間以上をお勧めしております。
※コフナの投入は、土壌消毒が終り次第、早急に投入するのがポイントです!
2.微生物性を回復させた後に土壌消毒を実施する場合
~土壌消毒前にしかコフナを投入する時間が無い場合~
地域によっては、春先に土壌消毒を実施しその後定植までに時間が無い場合があります。
岩手県の夏秋トマトの産地で一部実施している方法について説明を致します。
作業上、①土壌消毒を実施②ガス抜き③コフナ投入④微生物回復期間を置くとなると、春先の植え付けが遅れるという問題があります。しかし冬場に土壌消毒を行うには地温が低すぎて効果が出にくい為、消毒は春先に実施したいという希望がありました。冬場にコフナを投入して春に消毒を実施して微生物性がどのように変化したかを確認いたしました。
「春消毒後コフナを投入したもの」と、「秋にコフナ・春に消毒」では、微生物数・微生物活性に大きな差がなく、ほぼ同様な結果となりました。
以上のことより、他の産地も含めて、
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圃場全体で土壌病害が発生している
⇒地温がある間に早めに消毒、ガス抜き後コフナ投入
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圃場で少し土壌病害が発生
⇒冬場コフナ投入、春土壌消毒もしくは消毒無し
等の方法を取っております。