まず初めにお伝えすることは、コフナは農薬ではありません。また、過去の研究においてコフナに含まれる微生物が、直接病原菌を殺すことは確認されておりません。
しかしコフナが使用されている現場においては、土壌病害対策として使用されていることがあります。これは、土壌病害が発生しやすい環境条件から、発生しにくい環境条件へ土壌改良を行うことを目的としております。
土壌病害が発生する原因が必ずあります。その原因の中で、「土壌の物理性」から起因するもの、「微生物層のバランスの悪化」によるもの、「肥料のバランスの悪化」によるもの等が挙げられます。特にコフナは、「土壌の物理性」「微生物相のバランスの悪化」に関しては対策を立てることが出来ますので事例を報告いたします。
この対策の前に、原因をできるだけ把握する必要があります。発生原因が排水不良からくる根腐れなのか、乾燥しやすい土質によるものなのか、周辺から病原菌が土に混じって飛んでくるのか、苗からの持ち込みなのか、前作ないしは、同一作物を栽培しその残根が問題だったのか、肥料過多もしくは不足、肥料バランスの崩れ(土壌の化学性分析から判断できます)なのかなど考えられる様々な要因から発病の原因を特定することを実施します。不明な場合はご相談下さい。
対策実施方法(例)
Ⅰ.病気が全体に蔓延している圃場(病原菌密度を下げたい場合)
対策1
- ① 早急に作物を収穫、撤去してください。そのまますき込む場合もありますが、既に土壌中の病原菌密度が上がっているほか、特に植物体にも病原菌が残っているので、最大限圃場から持ち出してください。
- ② 薬剤消毒
- ③ ガス抜き
- ④ コフナを通常の使用量より多めにすき込み
※通常使用量の上限もしくはそれ以上に散布してください。微生物が大幅に減少しており、早急に回復させる必要があります。また、微生物が減少しているために撤去できなかった根を分解する菌も減っており、分解能力が落ちているためです。 - ⑤ 出来るだけの圃場をあける期間をとる(1ヶ月以上空けることが望ましい)
対策2 夏場
- ① コフナ・ソーラー法の実施
- ② 使用量はコフナを通常使用量より多めにすき込む。
- ③ コフナ・ソーラー法を実施の際、可能であれば期間中に一度耕耘し、再度フィルム被覆してください。
(3週間被覆後、一度耕耘再度3週間水分調整後フィルム被覆) - ④ 期間は45日以上(出来れば2ヶ月以上)で実施してください。
※1ヶ月取れない場合は対策1にて実施してください。
対策 3次作までの定植までの期間が長くとれる場合
- ① 可能な限り残渣を持ち出し
- ② 使用量はコフナを通常使用量より多めにすき込む。2か月以上放置
- ③ 土壌消毒剤が効きやすい地温で、消毒の実施
※②、③は逆でも可
Ⅱ.病気がごく一部で発生している圃場
現在コフナを使用している場合であれば、1~2割程度使用量を増やし、発生箇所を中心に散布量を増やしてください。バランスが少し崩れてきており、物理性・微生物性の改善を図ります。
※一部出始めた段階での、全体を薬剤消毒もしくは熱水・蒸気消毒はやめてください!今まで作り上げた土壌微生物層が破壊される恐れがあります。
初期段階では、コフナや堆肥の組み合わせで対応してください。