局地的な施用(植穴処理・溝施用)

圃場全体に、年に一度はコフナを投入していることが前提となりますが、年に数作栽培される場合、次の作付けまでの期間が短くなる場面で局地的に使用されることが有ります。現在使用されている方法について説明いたします。

1.植穴処理

1.酷暑時期、厳寒期の定植

トマト、ピーマン等のハウス栽培において、地温が非常に高い、もしくは非常に低く、根の動きが鈍い時期に定植する場合、圃場全体にコフナを投入することに合わせて、活着促進のために植穴にフランスコフナを投入します。
使用量:フランスコフナ2~4袋/10aを、栽植本数で割って植穴に施用
※これの応用パターンとして、時間的な余裕がある場合は、畝の定植するところに合わせて、コフナ1号を2袋/10a程度を筋状に散布することもあります。

2.キュウリ、メロンの作型において片付け後数日おいて定植の場合

・フランスコフナ2~4袋/10aを、栽植本数で割って植穴に施用。

2.白ネギ土寄せ時

※これも定植前に圃場全体にコフナを投入することが前提です。
白ネギの土寄せを行う際、根が傷むことが有ります。季節によっては回復に時間がかかり生育が止まる傾向にあります。その際に畝間に肥料に合わせてコフナ1号もしくはMPを5~7袋/10aを一緒に施用し、土寄せを行います。

3.施設園芸における通路施用

トマト、ナス等の施設栽培を行っている方で、葉かきしたものを外に持ち出さない方がいます。通常であれば、病気の巣になる恐れがあるため持ち出すことが薦められていますが、直ぐに分解すれば問題無いということで、微生物層増強のために、コフナ1号を散布されています。使用方法としてコフナ1号と米ぬかを1:10の割合で混ぜ、できたものを1ヶ月に1~2袋/10a程度を畝間に散布されています。
※今まで外に持ち出されていない方が、この方法を取る場合、微生物層が増えるまでの時間がかかるため、初期は大目に散布してください。

4.溝施用

冬場の生育の鍵は、地温と言われています。地温を高めることにより、植物の根の動きが活発になり、肥料吸収効果も上がります。地温で温められた水を吸収することにより樹液温度も上がり、寒さにも強い植物の栽培に繋がります。そこでコフナは、土壌の深さに関係なく種々の微生物が働き、(同時に施用する有機物の影響がありますが、)使用すると地温が上がり生育が促進されるとの声が上がっております。コフナは、収穫後の残渣の分解や土壌病害の発生を軽減するために使用されることは多いですが、これからの季節に関しては、特に地温を上げるために使用される場面も多くなります。

散布時期:定植前

使用数量:

コフナ1号もしくはコフナMPSS 20-30袋/10a
(全面施用 15袋、畝内施用 15袋)
完熟堆肥・有機質肥料(稲ワラや米ヌカなど)

使用方法:

①全層にコフナ・堆肥等を15袋散布
②畝内にコフナを15袋施用

溝施用

この施用方法(全層施用・溝施用)を実施している長野県の生産者の圃場で温度を測ってみたところ、対照区に対してコフナ区の温度が高い事が確認できました。注目するのは、最大で15%温度が高く平均で4-5%温度効果が確認できます。更に気温が上がり始めた3月下旬にはコフナ区の温度が対照区より下がっています。

温度-1
対照区に対する温度効果の割合