水稲
東北を中心に使用されています。米価低迷の影響もあり、全国での使用割合は減っておりますが、北は北海道から南は沖縄まで、各地の米どころで高品質米(米・食味分析鑑定コンクール金賞受賞者も生まれております)、多収穫米、酒米を中心に使用されています。また、水稲の裏作の野菜なども含めて栽培体系全般を見通して土壌の地力向上のために使用される方も増えてきております。
使用目的
稲株やワラを分解し腐植化。浮きワラやガス害(ワキ)の軽減、根痛みの解消・活着促進、未熟有機物が原因の肥効停滞の改善、有機物分解による作土層(根圏)の改善など。
基本的な使用方法
水田本田(有機物分解促進)
散布時期:収穫終了後~代かき前
使用数量:
コフナ1号もしくはコフナMPSS 2~4袋/10a
使用方法:
①収穫後土壌に散布して混和(秋起こし)
②春先に乾きの遅い湿田型土壌の場合、代かきまで可能な限り早めに散布・混和(春起こし)
※積雪地帯では雪が積もる前にコフナを散布し、そのまま耕さずに放っておくほうが浮きワラが少ないという事例もございます。
■水田土壌の種類と物理的な特徴(一般社団法人北海道米麦改良協会 資料より抜粋)
育苗培土(根張り促進・活着の良い苗づくり)
散布時期:培土に播種する1ヶ月前までに(※直前でも使用可能)
使用数量:育苗用コフナ 苗箱1箱あたり約50g
使用方法:
培土と混和します。※覆土には混和しません。
※育苗用コフナを使用すると根張りが良くなるためタネは薄撒きして下さい。
(苗箱1箱あたりタネ100~120g)
注 意 点:
コフナは水分とpHが適正な場合の立枯病は良く抑えますが、ムレ苗の抑止力は弱いため、潅水や育苗培土のpH調整を始め、育苗ハウスの保温や換気などの管理を適切に行って下さい。
育苗ハウス(北海道など)
散布時期:緑肥すき込み時に
使用数量:コフナ1号もしくはコフナMPSS 1kg/坪
モミガラの堆肥化
モミガラは出来るだけ圃場に戻して地力を向上させたいのですが、そのままでは圃場で腐りにくいため、コフナ1号やMIC-108(繊維分解能力を強化したコフナ姉妹品)などで堆肥化させてからお戻し下さい
水田後の畑作向け土壌改良
水稲栽培後の圃場においてレタス、タマネギ、白菜、ブロッコリーを栽培する体系があります。基本的に水田⇒畑に変わることにより、微生物性は概ね多種多様に維持され、土壌病害も少ないと言われております。しかしながら、水田=水を張る・維持する ⇔ 畑=排水性・保水性を高める という物理的条件では真逆になります。稲株やワラを早期に腐植化することで、団粒構造が発達し、畝が安定します。
散布時期:水稲収穫後可能な限り早期に
使用数量:コフナMPSS 5~10袋/10a
使用方法:土壌に散布し混和
コフナを使用する際のオススメ
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化学肥料より有機肥料
コフナは微生物ですので、そのエサとなる有機物を同時に施用した方が微生物の増進が促されます。化学肥料は否定しませんが、有機入り化成肥料・有機肥料を使用することをお薦め致します。 -
減農薬
コフナは生物ですから、適量の農薬の使用量で留めておいてください。
※除草剤の影響は受けることは殆どありません。
コフナを使用した際の変化(観察ポイント)
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登熟期間の増加(慣行との比較)
コフナを使用した場合、茎・葉は最後まで青々としております。より登熟を進めるために、収穫は他の圃場と比較して7~10日遅れる事になります。一粒一粒に十分な養分が与えられますので、収穫増、食味の向上につながります。 -
出穂時期の前進
従来通りの栽培と比較した場合、出穂時期が約5日早くなったとの報告がございます。初期の活着が良いために生育が進んだものと思われます。有機肥料の追肥をされる方は出穂時期の確認をお願いします。 -
玄米の色
土づくりを考えて作られている方のお米に共通している玄米の飴色は、有機肥料+コフナでより一層濃い色となります。 - 作土の改善
使用事例(岩手県盛岡市)
食味の向上を目的に
岩手県盛岡市の藤村さんは何十年もコフナを使いお米(ひとめぼれ)を作っています。コフナは代かきの際の浮きワラの防止のために使用し始めました。コフナは秋収穫後の田んぼに散布します。使用前に比べて春の浮きワラの量は1/3以下まで減少しました。田植え後の活着も良くイモチ病の発生も少なくなりました。
しかし一番の大きな差は、収穫のときに出ました。収穫時期でもコフナ未使用の田んぼに比べ葉や茎は青く、1週間遅く収穫しても、まだ尚青い状態でした。最後まで青いということは、枯れずに生きているという事です。最後まで根から養分を吸うことができるため、より登熟が進むため、収量増加や食味向上へとつながります。
藤村さんは平成5年の冷害の年にも岩手県平均152kg/10aのところを400~450kg/10aと平年に比べて100kgの減収でとどめることができました。これもコフナによる根張りの向上のなせるものと考えられます。
平成6年からの食味と収量の推移表
藤村さんは育苗培土にもコフナを使用しております。育苗培土にコフナを混ぜることにより立ち枯れ病の防止をすることができ、そして田植え後の苗の活着が良くなることが確認されています。